第五回 コーショーのちょっと美味しい話★
私が北海道の大地に初めて降り立ったのは、今から35年前の4月のことでした。
東京の4月といえば、満開の桜に包まれた華やかで温かい風情がありますが、北海道の4月はまだまだ冬の名残りを色濃く感じさせるものがありました
当時は千歳空港駅も無く、千歳駅までバスで移動してからJRに乗り換えとなったわけですが、千歳駅に着いてビックリすることがありました。
1時間に1本あるかないかのローカル線でしたから、(札幌市内へ向かう方のほとんどがバスでの直行を選択していました。私はマニアに近い鉄道ファンだったので、乗り継ぎの不便さを承知のうえ、千歳駅に向かったのでした)待ち合わせの時間が長く、折からの寒さも手伝って皆で暖をとってました。
ダルマストーブと呼ばれた石炭ストーブが駅舎の中央にデンと置かれていて、その周りを車座になって待ち合い客が談笑している姿が今でも目に焼き付いています。
小学校時(昭和40年~46年頃)には、冬が近づくと教室にダルマストーブが設置されるのが常でしたが、しばらく見なかった光景を目の当たりにし、私は『北海道』に来てしまったんだなという実感が湧いてきたのでした。
以来私の第2の故郷となった『北海道』がかけがえのない存在に。
美味しい水、美味しい空気、温かい人柄、そして何を食べても抜群の美味しさを誇る食天国。『北海道』に住むことができて、私は幸せな30年間を過ごすことができました。
写真は、先日私の弟子である伊藤聖一夫妻と共にある御宅にお邪魔して忘年会をしたときにいただいたズワイ蟹と北海道近海でとれた生マグロです。
「美味しかった!」という言葉では言い尽くせない美味。これぞ『北海道』という味をいただいてまいりました。
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