第七回 コーショーのちょっと美味しい話★
私は<字牌>が大好きです。
1枚ポツンと手牌に浮いていると、いとおしくなり、手放したくなくなったりします。
プロとしては失格なのかもしてませんが、<字牌>への特別な想いは生涯続いていくはずで、客観的に見ればヘンテコな手順が生まれていくことでしょう。
ドラ
5巡目にこんな手になったとしましょうか。親なのでトイツのはオタ風です。
親満が見えるビッグチャンスですから、ひとつのミスも許されない手順が要求され、他家の河が織りなす〔場況〕からは目が離せないところです。
そこへ1枚切れのをツモってきました。考える必要もない不要牌に思えるこのが、たまに私に囁くんです。
『置いて!おいて!』と。
バカみたいな話に思えるでしょうが、ホントの話なんですよ。
「そうかそうか、於いて欲しいんだね」
私はを外し、次巡とも別れを告げました。
ドラ
ドラ
耳元で囁いてくれたが私を助けてくれることだってあるんです。
第1打に<字牌>を切らない主義、いや今となっては趣味でしょうか…を20数年間続けてきた私。
その意味合いをあれやこれや理屈付けてきましたが、実はその最大の理由が「好きだから、とてもじゃないが第1打からは切れないよ」ということだったとしたら、万人が納得してくれるのかもしれませんね。
ドラ
親でこんな配牌がきたとき、何万人、いや何十万人の視聴者が観ているTV対局であっても、私は第1打にを切っていくことでしょう。
だって、私、<字牌>が大好きなんですもん!!
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