2023年1月1日(日)~卓上から宇宙をみる~77
〔理想と妥協点〕
こんな手がやってきたとします。
ドラ
と は場に1枚ずつ出ている6巡目、 をツモってきました。
東1局は、親が2千オールをアガった後、西家がマンガンをツモリました。
2千オール、マンガンとも、リーチをかけていました。
東2局は、親がリーチ一発で4千オールをツモアガり、次局は西家が仕掛けて1300・2600を仕留めました。
そして迎えた東3局にこの手がやってきた親として、さてどんな構えで打っていけばいいものか、なかなか難しいところでした。
[東家] +900 [南家] ▲2600
[西家] ▲3500 [北家] +5200
東3局を迎えた時点での得点状況がこれで、荒れ気味の割には、トップ目の北家は5200ほどしかプラスしていませんでした。
こんなとき・・・[荒れ場]と[ツモ場]を利用して、を切って即リーチとする手も十分ありました。
ドラ
をツモれば2600オール以上は保証されていますし、裏ドラ次第では6千オールも可能な手ですから、即リーチに疑問の余地なしと言い切る打ち手も多いでしょう。
[荒れ場]とは、マンガンやハネマンが次々に飛び出す[場]のことを指し、[ツモ場]とは、アガリがほとんどツモできまっていく[場]を指します。
それでも私は をツモ切りしました。
異論は承知のうえで、手牌を振り出しに戻してみたのです。
ドラ
この手になったとき、私はこう考えていました。
ドラが だから、純チャン・イーペーコーのカン 待ちになるドラ引きならリーチはせずにポロリとこぼれそうな をヤミで討ち取ろう。
入り目がカン なら、ツモのリズムが最高潮に達しているとみて即リーチ。
万が一、安目の が先に出てしまったら見逃して、ドラの 引きに賭けてみよう。
そんなことを考えつつも、実はもっと期待しているツモのリズムがありました。
それは、 と 。
純チャン狙いだけであるならば、ドラソバの はとっくの昔に河に並べているところでしたが、[四暗刻]を本線に見ていた私は、[荒れ場]と[ツモ場]を最大限に利用した大役を夢見ていたのです。
この大役を狙っている道中、ツモ は、もちろんツモ切りするのですが、ツモ と来てしまったらどうするのか?
ドラ
私は を切ってのテンパイとらず策をとります。
ドラ
あくまでも狙うは[四暗刻]なので、もう1組暗刻が増えたときに、暗刻候補の選択ができるという楽しみがある構えになります。
暗刻がなかなか増えずに3~4巡過ぎてしまったり、相手からリーチがかかってしまったら、暗刻の を1枚外して七対子のテンパイをとります。
ドラ
妥協策にはなりますが、これも想定内のテンパイなので、柔軟な対応をします。
もちろん、
このテンパイを目指し、折からの[荒れ場]と[ツモ場]に期待する私なのです。
どこを目指して打つのか?
その目的のためにつまらぬテンパイはとらないが・・・、妥協点は残しておく。
そんなマージャンが私は好きです。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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