2023年2月1日(水)~卓上から宇宙をみる~79
〔場の力〕
〔場の力〕って凄いなって思います。
人智の及ばない力を強く感じます。
そんな〔場〕は存在しないと思われるかもしれませんが、見えないものの一部でも垣間見ようとすると、〔場〕の力を認めざるを得なくなるのです。
〔順子場〕・〔対子場〕・〔刻子場〕から始まって、〔一色場〕・〔三色場〕、更には〔小場〕・〔荒れ場〕・〔仕掛け場〕、そして〔下手場〕・〔女々場〕・〔感々場〕みたいな〔場〕すら出現しています。
〔荒れ場〕とは、感情面の話ではなくて、マンガン・ハネマン・倍満などが飛び交う乱戦になる〔場〕のことで、こんなとき〔場〕を鎮めようと、ヤミテンで2000点や2600点をアガっても意味がありません。
〔荒れ場〕になったら、もうそれはいつもと違う風が吹いている〔場〕なのですから
ドラ
こんなテンパイをこそっとヤミに構えていても〔場〕に与える影響は皆無に近く、「リーチ!」とハネマン確定にアクセルを踏んでこそ、ヤミでは出てこないはずの が〔荒れ場〕の力によって引き出されてしまうのですから面白いものです。
いつもであればメンゼンで進める気だった手牌であっても
ドラ
が出てきたら「チー!」と反応してみたくなったり、
が出てきても「チー」と言ってみたり、
にすらリャンメンでのチーをかけてみたりと、それはそれは「場」の力に引き寄せられるような仕掛けを施してしまうようなのです。
〔下手場〕と書いてしまうと誤解を受けやすいので正確に記すと、普段では考えられない凡ミスを打ち手たちが連発して巻き起こる〔場〕のことです。
例えばオヤが次の手から を切ってリーチを打ったとします。
ドラ
一発目に南家は次の手から何を切ったかといえば・・・
ツモ
がオヤに通っていたので、ワンチャンスの壁
を頼って
を切りました(南家の次のツモは
でした)。
そして西家は次の手から雀頭の を切ってローリングしていきました。
ツモ
たしかにまだリャンシャンテンからイーシャンテンになっただけで、オヤに無筋の や
を切っていくのは勇気のいることでしたから当然だったかもしれません(西家の次のツモは
でした)。
まぁ、そんなこんなの攻防の結果、オヤは流局で無事に連荘を果たし、1本場で4千オールを仕留めることになるのですが・・・
これぞ〔下手場〕の典型でして、こういう〔場〕になると勝負の行方は最後の最後までわからなくなるものなのです。
〔女々場〕と〔感々場〕については紙面の都合でまたの機会とさせていただきますが、賢明な皆さんのことですから、おおよその見当はついていることと思います。
〔場〕の力を信じて打ったほうが、その局を制することは容易になります。
逆に〔場〕の力に気づかず、翻弄される側に回ってしまうと、その失地回復には、思いのほか手こずることになることは間違いないようなのです。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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