2024年7月1日(月)~卓上から宇宙をみる~113
〔強さってなんなの?〕
強さって何だろう?
全国どこへ行っても「○○プロと△△プロはどっちが強いんですか?」とか「モンドに出ているプロの中で強い人は誰なんですか?」と、よく訊かれます。
プロ同士の会話でも「○○プロ、ホントに強かったよネ」とか「△△プロ、強くなったよネ」とか、<強さ>の比較をしたり、<強さ>の評価をしたり、まあにぎやかなこと。
もちろん、プロアマ問わず、強さに対する畏敬の念は尽きないもので、話題になりやすい性質のものであることは、否定のしようがありません。
でも、なんか軽いというか、<強さ>の尺度を掘り下げていないノリで語られることが多く、<強さ>の極みを体感している身としては、閉口してしまうケースが多々あることも事実です。
私が思う<強さ>とは、大きく分けて3つあります。
その1:攻めの強さ
その2:受けの強さ
その3:欲を抑える強さ
攻めの強さとは、ただ単にテンパイやアガリに向かっていく<棒攻め>を指すわけではありません。
用意周到な攻めの道筋と、敵の攻撃に対して怯まぬメンタル、更には何層にも組成された多種多様な攻めの<強さ>を指します。
受けの強さとは、オリることが上手な、放銃回数の少ない打ち手を指すわけではありません。
敵の攻撃に対し、攻め返せる含みを残すために、自分の判断で切ってもいいと思える牌を通しつつ、反撃のチャンスに備えられる受け方のできる打ち手を指します。
欲を抑える強さとは、主観的になりがちで、甘めの予測を含みながら、何巡経っても自分の手牌と訣別できない打ち手の対極に位置する<強さ>を指します。
タラレバ的な考えを棄て、まだいけるカナ・・・という甘い考えを一切持たず、自分の置かれた状況を客観視できる<強さ>を持ち合わせた打ち手を指します。
ドラ
親番でこの手牌から を切ってリーチをかけ、一発で をツモって見せたとき、「強いですね~」などという評価を耳にすると、とても虚しいきもちになります。
ドラ
この手牌から、 を切ってリーチをかけ、一発でツモる打ち手が
ドラ
先制リーチを受けて、 を切ってヤミテンに構え、ソロリと を引き寄せるシーンを見たとき、初めて「強いな~」という気持ちになれます。
もちろん、先制リーチの待ちが だろうと、入り目がそうであろうと、そんなことが<強さ>を測る尺度ではなく、 という多メン形を否定して タンキにしてツモアガった打ち手が 切り追いかけリーチを打たず、リーチの現物の を切ってのヤミテンも選ばす を切ってのヤミテンを選択する客観的な<眼>とその<強さ>に痺れてしまうのです。
<強さ>を測るうえで大切なことは、その打ち手の<点>を見るのではなく、<線>を見ることだと私は思っています。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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