2024年8月15日(木)~卓上から宇宙をみる~116
〔尖張牌の役割〕
オーラス 親 1本場 ▲5000
ドラ
前局の0本場は、ドラのがポンできて、リャンメンをツモアガり、ダンラスから接戦のラス目に浮上した親の配牌です。
赤入り麻雀なので、いつもの競技とは思考が異なるのでは?という疑念も含め、私の弟子にあたるプロが訊いてきました。
もちろん、その弟子も私の真似事をしたいのか、第1打には字牌を切らないことをモットーとしていました。
もしかすると、多くの方が誤解しているかもしれませんから、この場を借りて申し上げておくと、私から弟子たちにただの一度も『第1打に字牌を切ってはならない』という教えはしたことはありません。
不自由さを感じたり、そんな体育会系なノリは御免だとか、宗教に入信するようでイヤだと思う打ち手には、たとえ弟子筋でも強制したりしたことはないのです。
そもそも論として、第1打に字牌を切らない打ち方は、<基本>をパーフェクトに会得した人のみが実戦していける難解さがあるため、面白半分にやろうとしても長続きしないと思います。
理不尽さを少しでも感じた時点で、そのような打ち方は止めて、<基本>の習得に時間を割くべきだと話してきました。
手牌に戻りましょう。
弟子の選択は でした。
孤立牌の中で、 は自動的に切れない牌になり、 と の2択をするとき、シュンツのキー牌である を残し を第1打に選ぶという弟子の<麻雀脳>を採点すると、偏差値45程度と判定せざるを得ません。
ドラ
を打った直後、運よく 、 と引けて、 → と打ったとすると手牌は
ドラ
こうなって、 に か 、あるいは を引いたらドラ を切って即リーチをかけられます。
そんな穴埋め式の予測しか偏差値45の<麻雀脳>では働かなかったのでしょう。
配牌から が入っていて、ドラ を2枚も入っている好手牌。
前局のラッキー4千オールも追い風となり、親満の連発はもちろんのこと、親っパネまで狙える手応えの配牌に見えます。
こういう手牌をもらったとき、第1打に考えるべきことは、テンパイではなく、アガるにはどうしたらいいのか?そこに照準を合わせるべきなのです。
そして第2に考えるべきことは、テンパイまでの手順にゆとりを持たせることです。
1巡でも早くテンパイさせてリーチをかけようとして急いだ手順を踏むと、アガれる手もアガれなくなるということです。
私の選択は 切り。
トイツで持っている を1枚だけ外し、雀頭候補は他に求め、切り離した 、もしくは を軸にソーズで1シュンツ、うまくいけば2シュンツ作るというプランです。
ピンズはドラの を雀頭にして1シュンツもしくは を伸ばしての2シュンツを想定しておきます。
カンチャン4ヶ所のマンズは、赤入りで1シュンツできれば上出来と考え、2シュンツには期待しません。
マンズで2シュンツ想定してしまうと、 や という孤立牌が余剰牌に見えてしまうため、できれば1シュンツと考えたほうがアガリに近づく打ち方になります。
まさか・・・トイツの がアンコになるかもしれないから、トイツをほぐすのはどうかな?・・・などと考えている人がいたとしたら、絵合わせゲームの患者さんです。
何度も云って恐縮ですが、3や7の尖張牌は、シュンツ作りのキーパーソンです。
アンコにしようとせず、横へ横へ伸ばしていこうと考えることが<基本>であること、忘れないでください。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友倶楽部)テキストより
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