2024年9月15日(日)~卓上から宇宙をみる~118
〔複合形を断つ〕
<決め打ち>。
百害あって一利なし、と考える打ち手のほうが多い昨今、果して<決め打ち>の効用がどこにあるのか、おさらいしてみたくなりました。
ツモ ドラ
東場の親、7巡目の手牌です。
前巡までの親の河はこうなっていました。
フムフム、なるほど、アガリに向かって実に素直な運びとなっています。
さて、こう打ってきた以上、この手牌は<リャンメン>に重きをおいて打っていくのが自然な手順に見えます。
、もしくは 切り。
どちらを選択するのかは他家の河次第で、普通に考えればドラ色よりもソーズの<リャンメン>のほうがアガリ易いので、 を切る打ち手が多いのではないでしょうか。
更には親であることを踏まえると、10巡目あたりまでは我慢できても、11巡目以降は、 あるいは のポンテンも想定していくはずです。
理想としては、9巡目までにマンズの<リャンメン>が埋まってくれて、3ハン役確定のリーチが打てること
でもこうスンナリと決まることは稀で、7割方はソーズから埋まって、マンズ待ちになるはずです。
まさか・・・ を切って
こんな3ハン役確定のリーチが打てる人は少数派と思われますが・・・
<決め打ち>派は?という大いなる疑問がこの手牌には付いて回ることにも触れておかなければなりません。
手牌を戻しましょう。
これが6巡目完了時の手牌なのですが、<決め打ち>派はこんなイーシャンテンにはなっているはずもなく、恐らくこんな形に
ドラ の受け入れは、さすがに6巡目あたりまでは否定できないでしょうし、ドラが入っても三色同刻役は可能ですから、大役のお邪魔虫になる は、とっくの昔に手放しているはずなのです。
四暗刻まで見ている人には、 や のイチ鳴きには抵抗感があるでしょうが、三色同刻に気持ちが傾いている<決め打ち>派にとっては、イチ鳴きして を切り、 はまだ温存する手順になるのでは?
ポン
ポン
<決め打ち>の効用は先の や、 切りにあって、相手に読まれにくい手牌構成になっていくところにあります。
特に対々和を狙うケースでは、自分がポンしたい対子の周囲は早めに河に放出しておく<決め打ち>がアガリへの近道になりやすいのです。
<リャンメン>あるいは対子への<決め打ち>は、複合形に別れを告げるという意味において、打ち手が心細く感じることになりかねませんが。現代は複合形全盛の時代ですから、逆をいく打ち方が局面を制しやすいということも踏まえておいてください。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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