2025年2月15日(土)~卓上から宇宙をみる~128
〔字牌への精度とは〕
字牌は<場>を動かす力を持っています。
特に<速さ>を生み出す力は強く、ひとつの「ポン」が入るだけで<場>が3巡くらい進んでしまうこともあります。
ドラ
6巡目の親の手牌です。
そこへ北家が次の形から を 切ってきました。
ツモ
は1枚切れ、
は生牌でした。
この時親の河はこうなってました。
ドラ色の
が早い段階で打ち出され、尖張牌の
も手出しされている6巡目、もしこの親に役牌を鳴かれたら、ポンテンかポンイーシャンテンになりそうなことは、誰の目にも明らかでした。
それでも北家は、自分の手を進めるためにより鳴かれそうな を切っていきました。
もちろん、ポンされないことも多々あって、北家の言い分としては、鳴いてくれたほうが打点が下がるし、手牌そのものもメンゼン手よりはわかりやすくなるから、自分の手に素直でありたいというものでした。
それにしても・・・北家の手牌は6巡目にして3シャンテン。
しかもドラ周りがリャンカンの形で、マンズのカンチャンも残る苦しい形。
<場>を早める生牌の 切りを正当化するには不十分と言わざるを得ません。
ポンされるかはわからないし、ポンされたほうが打点は下がるから、早め早めに字牌は処理したほうがいいという考え方は、確かに一理あります。
ましてや、一発も裏ドラもあるルール下では、メンゼン第一主義が主流派を形成し、仕掛けては軽く見られる傾向にあります。
それでも私はこう考えます。
<場>が3巡くらい速まりそうな相手の河に対しては、自分の手牌がその速度に見合わないと判断したときに限り、字牌は絞り込んだほうがいいのではないか。
特に親の河に対しては、敏感に反応したほうが賢明なのではないか、そんなふうに考えています。
先の手牌から をポンされて、
を切ってきたとしましょうか。
ポン
あるいは、ドラの を固めて
を切ってくることだってあるでしょう。
ポン
いずれにしても、早めに出てきそうな は、絶好のポン材になってしまいます。
が鳴けない場合、
を先にポンして後付けを敢行する打ち手が稀にいますが、和了優先で
から
を1枚切っても仕方ないかなと考えると、通常の初動は
からとなります。
ですから、この北家の 切りによって、親はかなりのアドバンテージを握ったと言えるでしょう。
<場>が3巡速まるということをいつも念頭に置いて打てれば、少なくとも連荘を主眼とする親の速そうな河に対しては、安易に生牌の役牌を打ち出さずに済むのではないかと思うのです。
これって難しい話でしょうか?
それとも的外れな話なのでしょうか?
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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