土田浩翔オフィシャルウェブサイト

土田浩翔オフィシャルウェブサイト 麻雀の宇宙へようこそ

新着情報

ツイッター

2025年3月1日(土)~卓上から宇宙をみる~129

〔打つということ〕

5才で麻雀に出会い、中:麻雀王国 の鮮やかさに魅せられ、7才で初めて牌に触れ、58年間打ってきても未だ成人になりきれない打ち手がここにいます。
新しい発見の連続でありながら、打てば打つほど見えなくなるところもあり、得体の知れぬ怪物の正体は永遠の謎、でもいつも新鮮な思いで卓につける不思議さ、この魅力的なゲームと出会えた幸運を神々に感謝しています。
いったい自分は打つことによって何を得たいのだろう?
このままずっと打ち続ければ満足なのだろうか?
それとも40代の頃に抱いていたギラギラ感を取り戻したいのだろうか?とふと考えてしまいます。
プロとして、リーグ戦に出て、対局番組に出て、幾つかのタイトル戦にも出て、いったい自分はどこに向かって打ち続けているのだろうか?と考えてしまいます。

客観的に見れば<強さ>を身に付けていけるほどの肉体は無いであろうし、<巧さ>を身に付けていけるほどの勉強量も足りていないので、目に見える活躍は期待できないことは受け入れなければなりません。
それでも打ちたいなと思える自分の脳足りんには呆れるしかありませんが、18才になったとき、初めて麻雀大会に出た、あの新鮮さが残っていることが嬉しくもあります。

親番で配牌を取り終えて

三萬:麻雀王国五萬:麻雀王国六萬:麻雀王国六萬:麻雀王国八萬:麻雀王国一筒:麻雀王国二筒:麻雀王国五筒:麻雀王国七索:麻雀王国八索:麻雀王国東:麻雀王国南:麻雀王国白:麻雀王国發:麻雀王国 ドラ 四萬:麻雀王国

こんな形の4シャンテンであれ、この先のツモはどんなふうになっているのだろう?というワクワク感は、18才のときのそれと全く変わらないものがあります。
第1打に字牌を選ばなくなって30有余年。
四半世紀以上の間、34種ではなく27種の数牌の中から第1打を選択してきた身としては、この配牌から 三萬:麻雀王国 を打ち出すことに喜びすら感じています。
効率が悪い?
うんうん、算数的に考えれば、シュンツで使えない字牌より先に数牌を選ぶことは損であることは間違いありません。
でも、字牌を第1打に選ばなくなってから、少しずつ少しずつ、損得勘定がいかに空しい考え方なのかがわかるようになってきました。
麻雀って、摸打を繰り返すことによって、自分が何を求めているのかが、キャリアを増すごとに理解できるようになります。
そしてそれは人それぞれ違うもので

〇 <勝負>に勝つためにはどうすればいいのか?
〇 <和了>するためにはどうすればいいのか?
〇 <創造>するとはどういうことなのか?
〇 <運>の動きとはどういうものなのか?
〇 <人間>とはどういう生きものなのか?
〇 <失う>とはどういうことなのか?

考えれば考えるほど、哲学的になります。
それで、今の私は何を求めて摸打を繰り返しているのか?
漠然とした言い方をすれば、<真理>に半歩でも近づきたいと思って打っているのかなと。
ここで云う<真理>とは、勝つためのとか、アガるためのとか、トップをとるための<真理>を求める意味合いではありません。
大袈裟に云ってしまうと、麻雀が人間の上に存在している<真理>を追究することであり、摸打を繰り返しているうちに、牌たちが私に何を教えてくれようとしているのか、その<真理>を少しでも知りたくて打っているのだと思います。
だから・・・やっぱり生涯打っているような気がします。

※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより


≫卓上から宇宙をみる一覧