2025年7月1日(火)~卓上から宇宙をみる~137
〔違和感〕
オヤがリーチをかけてきました。
河はこうでした。
ドラ
( と
はツモ切り)
始まって間もない東2局のオヤリーチ。
そのとき西家の手はこうなっていました。
ツモ
テンパイです。
西家は小考しました。
切る牌は と決まっていましたが、その
を横に曲げるべきなのか、少し迷っていました。
オヤの河には が置かれています。
はリーチ表示牌のスジ牌であり、南家や北家からのオリ打ちを狙ったほうが、より確実に仕留められると考えるのは道理でもありました。
ただ、東場の2局目からコソッとアガリを拾いにいくようなプレーをして、2000や3900をいただくことが強者なのか?と問われれば、いや、それは試合巧者のプレーに過ぎず、入って来た点棒には羽が生えているようにも思え、西家は小考したのでした。
「リーチ」
意を決した西家は を横に曲げようとしました。
「ロン」
オヤの手が開けられました。
ドラ
ウラドラ
「18000」
強烈なオヤッパネ放銃。
(これがロンされるんだったら仕様がないな)西家は前を向きました。
『え?!』
この放銃を目の当たりにした南家は、憤りにも似た思いで西家が一万点棒と五千点棒、さらには千点棒3本支払う姿を見ていました。
『その 打ちは無いだろう』
もう一度オヤの河に注目していただきたい。
( と
はツモ切り)
4巡目に を手出し
6巡目に を手出し
8巡目に を手出し (リーチ)
序盤から中盤にかけて、第1~3打が通常の切り出しであれば(1・9・字牌からの切り出しであれば)、同じ色の数牌の切り順は、手出しが外側から内側になるか、内側から外側になるかの2つにひとつ。
つまり、1→2→4とか4→2→1とか、違和感のない整然とした手出しの並びになるのがふつうなのです。
ところが今局のオヤは違っていて
→
→
この手出しになっています。
8巡目リーチという早さからも、オヤが手順に工夫やアヤを入れる暇はありませんでした。
ということは、この不自然な並びが親にとっては自然な切り順ということです。
そう推測すれば、 がダブリ牌から1枚ほぐした形で、
からの
切りであろうという読みを働かせることは難しい話ではありません。
この道理に気づけば、西家のインパチ放銃は無かったでしょうし、オヤも読まれにくいリーチをかけるべく、 切りリーチ、中スジ
待ちがよかったのです。
( と
はツモ切り)
こう打っていれば、西家も無スジの を勝負牌として堂々と横に曲げられ、面白い1局が生まれたはずなのです。
<違和感>は打ち手の武器となる。
このことをしかと胸にとめて打っていきたいものです。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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