2021年1月1日(金)~卓上から宇宙をみる~㉙
~卓上から宇宙をみる~㉙
私は衝撃を受けました。
いったい、いつの間に、こんな状況になってしまったのか?
これは現実なのか?
南1局 北家 4巡目 ドラ
親がツモ切りした生牌のをイチ鳴きして を切っていく北家。
そして次巡出てきた をチーして打 、その後すぐに を引きテンパイを果たしました。
ポン チー
10巡目、親からリーチがかかり、一発目に引いてきた を切らず、親のゲンブツの を抜き、次巡 を引くと、今度はいま通ったばかりの をトイツ落とししていく北家。
東2局 西家 7巡目 ドラ
この手に を引いてくると迷うことなく を切ってリーチをかける西家。
更には…
東1局 親番 6巡目 ドラ
この手に を引いてくると迷うことなく を曲げてリーチをかける親。
この3つのシーン、私の創作ではなく、あるネット麻雀で上級レベルの打ち手同士が対局しているシーンの抜粋です。
恐らく現代の打ち手たちは、これらのシーンは見慣れたごく普通の対局風景としてとらえているはずで、衝撃を受けた私のような打ち手は<昭和>と言われてしまうのでしょう。
でも…これでいいのかな?と思ってしまいます。
確かに時代が移りゆくときは、その先駆者たちの前衛的な思想を古い世代たちは総攻撃し、自分たちが築いてきた地位や名声を守ろうとするものです。
恐らくネットマージャンの必勝法は、種々のデータに基づきながら<数>の世界を制するための確率論が主役となっているのでしょうが、果してそれで<進化>したマージャンになるのかなと思ってしまうのです。
<数>で解決できないからマージャンが愛されてきたのではないでしょうか。
<数>で解決できないから老若男女の区別なく、五分の戦いができるのではないでしょうか。
私の衝撃は、未来への悲観からきたものです。
このままこの現代流儀が打ち手の主流派を形成してしまうと、マージャンを作った陳魚門師に合わせる顔が無くなるような気がしてなりません。
せめて…<昭和>流儀を継承してくれる打ち手を育てないと、マージャンファンが感動する世界など夢のまた夢ということになってしまいそうです。。
身が引き締まる思いでいます。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友倶楽部)2011.10.11のテキストより
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