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2021年2月15日(月)~卓上から宇宙をみる~㉜

~卓上から宇宙をみる~㉜

〔打ち手の品格〕…考察⑮

その19 <錯行為>

①配牌時の取り残し…
主に北家の取り残しでゲームがスタートしてしまう時に起きるトラブルについて。
北家が最後のチョンチョンの牌の1枚をうっかり取り忘れることは、いつの場合でも起こり得るトラブルであり、その対応ひとつでゲームが台無しになってしまうこともあります。
当事者の北家にしてみれば、真っ先に気づくはずの南家がどうして指摘してくれないのか?と疑問符を抱くことも多いのではないでしょうか。
厳密に裁定すれば、親が第一打をした時点でゲームは成立するので、それ以降のいかなることも訂正出来ないこととなるわけですが、杓子定規にあてはめていいものかどうか、品格ある打ち手としての対応が試されることになります。
競技会などは例外として、普段行われている教室や健康麻雀、あるいは仲間とのセット麻雀において、厳密な裁定を振りかざすのはいかがなものかと思われます。
ルールを不当に歪めることはあってはならないことですが、そのコミュニティで許される範囲内の修正は当然あってもいいと思います。

そもそもチョンチョンの取り残しを確認しないまま第一打を行ってしまう親にも責任の一端はあります。
もっと言えば、対局者全員が確認し合いながらゲームは進められるもので、当事者のうっかりミスを含め、四者に相応の責任があると言えます。
そこで、南家が打牌する前までに誰かが取り忘れに気づいたならば、南家の第1ツモ牌を北家に渡してゲームを再開するくらいの器量があって然るべきではないでしょうか。
もしかすると、北家の取り忘れを知りつつも、親が第一打を若干早めて行っているケースもあり得るわけで、気づいた時点で修正可能であるならば、対局者の合意を促しつつ正常な状態のリセットに務めるのが良いでしょう。

もちろん、自分自身が取り忘れの当事者になってしまった場合には、ルールに則って、第一打完了後には修正を申し立てることがあってはなりません。
あくまでも、他者の錯行為に対しての穏便な計らい役を買ってでることが使命と心得ましょう。

②ドラの開け間違え…
これも①同様、厳密には親が第一打した後は訂正できないので、そのままのドラでゲーム続行となるわけですが、つまらぬトラブルに発展しないよう、その仲裁役を買ってでる必要があります。
ものの言い方ひとつで収まる話も収まらなくなったり、後々まで重い空気が残ったりするので、何事もなかったように短い時間内にサッと事を収める役割を買ってでることが、品格ある打ち手の使命です。

③誤チー、誤ポン…
チーやポンをしたときに、フーロ牌を間違えてしまうことがあります。
その際、自分の打牌が完了するまでは訂正できますが、打牌後は訂正できずアガり放棄になってしまう規定があります。
この時も、わかっていながら指摘せず、打牌完了を待ってアガり放棄を指摘する嫌な打ち手もいますが、そんな時はすぐさま仲裁役を買ってでて、次の手番の打牌前ならば救済してあげましょう。

人間のやることなのだから、間違いはいつだって起こるし、いつ自分がその当事者になるやも知れぬ、そんなゲームと向き合っている時、《許容力》が求められるのです。
場の空気を和ませることと、ルールを形骸化することは別物であることをよく理解したうえで、仲裁役を買ってでることが、品格ある打ち手の《使命》と考えて欲しいものです。

※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより


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