2021年11月15日(月)~卓上から宇宙をみる~㊿
~卓上から宇宙をみる~㊿
〔一向聴のユウウツ〕
調子よく打てているときは、三向聴になる巡目が早く、二向聴から一向聴に進む段階での手牌への迷いが少ないものです。
ところが点棒が減ってきて、調子もガクッと落ちてくると、三向聴になる巡目も遅くなり、二向聴から一向聴に進む段階での迷いが格段に多くなります。
たとえば次の手牌
ツモ ドラ
南1局西家8巡目、持ち点は▲11000点でかなり苦しい状況です。
手牌は一向聴に向かう形になったわけですが、場には が1枚、 が2枚出ているという場況から、辺 が埋まるのかどうか、とても微妙な判断となり、迷いに迷いそうです。
一向聴に進ませる打牌は、 か ということになるわけですが、場には が1枚、 が1枚だけ出ているので、 という待ちがとても魅力的に映ります。
では二向聴に戻しますか?
という美しいリャンメン形やソーズの中ブクレ を活かす場合、雀頭を用意することも踏まえれば、場に2枚見えている から切っていくことになります。
でも…のんびり二向聴に戻している最中に好調な他家からリーチがかかることも十分考えられ、ポッカリ浮いてしまう が危険にさらされることになります。
それに…調子が悪いときは辺張待ちが案外アガり易くなったりしますから、やっぱり不安定な浮き牌を生み出す二向聴戻しより、 を切って 雀頭の一向聴手牌に構えたほうが無難なのかなと、考え直したりします。
でも、中ブクレの を1巡持ち過ぎたために放銃してしまうことだってあるはずですから、一向聴に構えるにしても、 より先に を切っておいたほうがいいのかも…
を切っての形は
ドラ
こうしておけば が先に重なったときに という美しいリャンメン形が活きてくるわけですから、やっぱり 切りが最善の選択なのかも…。
悩みは尽きません。
では次の手牌はどうでしょう。
ツモ ドラ
南1局西家7巡目、▲9000点という状況で、 は生牌です。
場には ・・ が1枚、と が2枚ずつ出ています。
一向聴に進めるならば、 か か を切ればよいのですが、すんなりとテンパイが入る感覚が無い時間帯ゆえ、 をトイツ落としして二向聴に戻す手もありそうです。
さえ落とせば、喰いタンヤオという他力本願的手段もとれるわけですから、アガりへの距離感を考えると、案外この急がば回れ作戦はうまくいく可能性も…
いやいや、そうは言ってもドラ2枚使いの一向聴手牌。
ソーズのカンチャンさえ埋まれば、タダ取り同然のオタ風待ちでリーチが打てるわけですから、素直に 切りでいいのかなと思ってしまいます。
でも… だって侮れない牌で、 はもちろんのこと、 が引ければ3メンチャンになるわけで、目先の一向聴に惑わされず、思いきって を切る手もあるのかも…
を切ると、ソーズは
と が孤立してしまうものの、ツキにかげりが出ている状態では、ストレートな手順より変化球を用いたほうが局面を打開できる可能性があるのかなと思ったりするわけです。
最初の手牌も2番目の手牌も、ペラッと打てば悩ましくも何でもない手牌です。
しかしながら、深く麻雀とつき合っていこうとするならば、二向聴から一向聴に手牌が進もうとするときにこそ、自らの麻雀脳をフル回転させるべきではないでしょうか。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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