2022年6月15日(水)~卓上から宇宙をみる~64
〔愉快な選択〕
先日、こんなシーンがありました。
ツモ ドラ
打ち手はさして迷うことなく を打っていきました。
まだ始まったばかりの東2局の西家だったので、もう少し夢を見てもいいのになあと思っていたら、次に引いてきた牌が 。
ドラ
あれ?少し難しくなったゾ、と思う間もなく打ち手は打 。
をツモったときに、そのままツモ切りするか、 を放していると手牌はこうなっていました。
打 ドラ
打 ドラ
ところが打ち手の手牌はこんな形になっていました。
ドラ
まだ7巡目でしたから、 とか が引けたら救われるかな、と思っていると、9巡目に が暗刻になりました。
『なるほどね。こういう結果論的な ~ 待ちもアリですか』と眉をひそめながら見ていると、ギョギョ!!打ち手は を横に曲げてリーチをかけたではありませんか。
『マジなの⁈』私は目が点になりましたが、驚くことに3巡後、打ち手は を手元に引き寄せていたではありませんか。
ツモ ドラ
この間、 も もツモってないし、他家から出されてもいませんでした。
そして裏ドラが になっての3千6千。
どうしてそうやって打ったの?と訊くのも酷な初級者の譜ですから、まったく参考にならないかと言えばそうでないところに、麻雀の奥深さが見え隠れしています。
と言うのも、実はこの局、親の河が異彩を放っていたのです。
こんな河、あまり見たことがありません。
でも注目すべきは の暗刻カブリ。
トイツ手・コーツ手ファンであれば垂涎の河になっていて、親であれ子であれ、誰かがこんな河を作っていてくれたら、『ホイ来た!アンコ場ネ!』みたいなノリになって、手牌を急旋回することもしばしば。
つまり、この初級者が7巡目にトイツに手をかけず、 のシャンポンに受けたことは<理>にかなっていたということなのです。
ちょうど9巡目に、親が を暗刻カブリしてましたから、まさにドンピシャ!の選択だったのです。
麻雀ってホントに愉快なゲームですネ!
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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