2022年10月15日(土)~卓上から宇宙をみる~72
〔アガリ牌が出てからの物語〕
「えっ⁈どうして⁇」と心の中で叫んでしまう瞬間があります。
ドラ
5巡目に西家が生牌の を切ると、北家から「ロン!」の声が・・・
開局は、今局の親がピンフ・ドラ1のリーチをかけ、南家から3900の出アガリでスタートした東2局の出来事でした。
「1600です」。北家はごく当たり前のようにアガりましたが、私にはもったいないアガリだなとしか思えませんでした。
アガリ牌が出たらアガらなければならない完全先付けルールのリーチ時なら仕方ありませんが、リーチをかけてもいない状況ではアガらなくてもいいんです。
「えっ⁈」「アガリ牌が出たのだから、アガっておくことは当然の行為だろう」とか、「待ちかたに自信がなかったからリーチをかけなかったわけで、そのアガリ牌を見逃すなんて言語道断、マージャンを冒瀆しかねない暴挙にみえる」などなど、手厳しい意見は承知のうえでの話をさせてください。
リーチをかけなくてもアガれる手、かけなければアガれない手を問わず、早いテンパイをしたとき、アガリ牌が出てからツモ切りリーチをかける作戦をどうしてもっと活用しないのか不思議で仕方ありません。
とくに七対子の役牌待ちのケースでは、テンパイも早いし、何か待ちごろな牌やドラが引けたら、生牌の役牌と替えてリーチしようと考えていた矢先にそのロン牌の役牌が出てきたら《ビッグチャンス到来!!》なのではないでしょうか。
疑い深い人が入っていたとしても、ロン牌を見逃してからリーチをかけるとは想像もしないはずです。
ではこの手牌はどうでしょう。
ドラ
5巡目という早さでマンガンをテンパイした親の手牌です。
この役無しテンパイ、99%の打ち手が即リーチに出ると思います。
でも8巡目くらいまでの3巡、ヤミテンにしても面白いのではないでしょうか。
そしてその間に や
が出てきたら、「リーチ」をかけるのです。
いま通った でロンされるとは、子方の3人はツユほども考えないし、万にひとつロンされることがあったとしても、ドラ3の手牌と想像することは困難です。
イヤイヤ、ドラ3の
待ちで、しかも5巡目テンパイの親が、たとえ3巡でもヤミテンに構えて子方にスキを与えるなんて、あり得ない作戦で問題外と考える人も多いかもしれません。
でも、『ものは試し』、常用すると見破られやすくなりますから、たまに活用してみると、それはそれは効果絶大な作戦になるはずです。
ドラ
東3局あたりまでにこんなピンフのテンパイをしたときも、私は極力「ロン!」と言わないようにしています。
アガリ牌が出てからツモ切りリーチする作戦と違って、オマジナイをかけている感覚で、ロンしないでツモってアガろうと考え、「ロン!」と言えないのです。
アガリ牌が出たからロンをする常識が、果していつもいつも良い《流れ》を生むものなのか?私は疑問を感じながら打っているヘンテコな打ち手なのです。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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