2023年8月15日(火)~卓上から宇宙をみる~92
〔加カンは5%の成功率〕
『カン!大好き!!』という打ち手は案外多いもので、私もその一人に数えていいと断言しておきます。
たとえばこんな手牌
ドラ
南2局の親で8巡目に をイチ鳴きして次巡
を引いてテンパイ。
ここまでプラス3千点ほどしていて、トップまで約1万点。
まずはこの手をモノにして連荘をと考えていたところに、トップ目から手出しされた 。
コイツ、生牌の を親に向かって切ってくるとは、なかなかイイ度胸してるじゃないか!<キッ!!>、と思わなかったか思ったかは別にして、『カン!!』と大明カンしてしまう私がいます。
衝動カンとみるムキもあるでしょうが、私としては、売られたケンカは買う、みたいな心持で、感情カンと云われても仕方ない、常軌を逸した大明カンに分類されます。
大明カンであれ、加カンであれ、暗カンであれ、カンをすると新ドラが増え、と同時に新裏ドラも増えます。
ここがひとつの問題点で、新しい表ドラだけなら、自分に利することもありますが、チー、ポンして仕掛けているときに、新しい裏ドラまで増やしてしまうのは、敵に塩を送る行為以外の何ものでもありません。
ドラ
こんな手牌になったのが9巡目。
そして11巡目にポンしている を持ってきたとしましょうか。
はもちろん安全牌。
ツモ切りして河に並べようか、<加カン>してドラを増やしてリンシャン牌をめくってみょうか少考するシーンです。
まだリーチもかかっていませんし、自分の待ちも悪くない
であることから、これまた多くの打ち手が<加カン>します。
新ドラは 。
すると次巡、待ってましたとばかりにリーチがかかります。
自分も待ちが悪くないため、めくり合いだ!みたいな気合で、一発で引かされた を切ると「ロ~ン!!」の声が。
一手替われば、タンヤオ+三色形になるため、2巡くらい回していた西家が、 が新ドラになったことも追い風になり、エイヤ~のリーチをかける気になったのです。
裏ドラが になり、ギョギョギョのハネ満放銃劇。
『しょうがないな』
『どうして を一発でつかむかなぁ』
『ツイてないな~』
と嘆いているのはもしかしてアナタだったりしてませんか?
<加カン>できるということは、アナタはすでにリーチをかける権利を失っているわけです。
わかってはいるでしょうが、新しい裏ドラを見ることは出来ない立場なのです。
しかも例に挙げたように、かからなくてもいいリーチを誘発することも大いにあるんです。
一説によると、王牌(ワンパイ)は王の墓と呼ばれる神聖なエリアだということも忘れてはいけません。
カンは一種の盗掘行為にあたるので、慎重なうえにも慎重な判断の下、<暗カン>でさえ、軽々しくしないほうが賢明でしょう。
一発・裏ドラの無いルールだったら?
いえいえ、王の墓には変わりありませんから、リンシャンのチャンスや、符が増えるからというだけで、アナタの運命を台無しにすることはないのです。
私の長年の経験からは、<加カン>して自分が有利になる確率はたった5%くらいしかありませんから、心して<加カン>することです。
くれぐれも王家の呪いに遭わないように・・・。
※本文は東京麻雀アカデミー(テキストより)
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