2024年10月1日(火)~卓上から宇宙をみる~119
〔レアケース〕
麻雀に<定石>は存在しない。
なぜなら、王牌13枚、相手の手牌13×3が見えないゲームだから。
そして、キャリアから導き出される確からしい<牌理>や<場況読み>にしても、必ずや<レアケース>があるため、絶対的な<定石>が生まれない現実が待っているのです。
「プロとは何か?」と問われたとき、そのひとつの答えとして、<レアケース>と真正面から向き合える存在、私はそう考えていますし、実践したいといつも思っています。
たとえば次の手牌(子方7巡目)
ツモ ドラ
確からしい<牌理>から云えば、 切りの一手。
議論の余地のない選択に映るはずです。
でも が場に2枚、あるいは3枚出ていないかぎり、 切りや 切りという選択が満貫の呼び水になることも<レアケース>としてはあり得るのです。
つまり、以下のような<レアケース>
打 として、ツモ と来て、ツモ で即リーチし、一発で をツモるケース。
ツモ ドラ
あるいは、ツモ 、更にツモ と来て即リーチし、一発で をツモるケース。
ツモ ドラ
連続して を引けなくても、ツモ と来て、シャンポン待ちで即リーチし、一発で をツモるケースもあります。
ツモ ドラ
そんな<レアケース>を想定してたらキリがないし、多くの場合、打 とし、タンヤオベースで最悪チーテンがとれる<手筋>をとったほうが、アガリに近づく打ち方になると考える打ち手が圧倒的でしょう。
でも私は<プロ>ならば、<レアケース>の局を常に探す努力をし、実践し、宝の山を掘り当てていくことも大事なのではないかと考えています。
基本をパーフェクトに身に付けることは<プロ>として当然の素養です。
そしてその基本から派生する様々な応用を駆使していくことも<プロ>の必要条件だと思っています。
更に<プロ>の十分条件として、<レアケース>を和了に結びつける技術、難しいことかもしれませんが、<プロ>と<アマ>の違いのひとつだと考えています。
ツモ ドラ
誰がどう見ても 切りの一手。
それでも<レアケース>は存在します。
を打って、次巡 を引いて、 が入ってテンパイし、リーチをかけて をあっさいツモる
ツモ ドラ
確からしい<牌理>に従えば
ドラ
テンパイ止まりで終わることもあります。
もっと簡単な<レアケース>を持ち出せば、打 の直後に が重なるケース。
ドラ
リーチをかけずにヤミテンにしていたら を引き打
ドラ
確からしい<牌理>で打っていると、ここにテンパイが入ります。
ドラ
もちろん、多くの局面では、孤立牌 を打ってアガれるケースがほとんどであることは間違いないでしょう。
それでも<プロ>は不断の努力を重ねて、いつやってくるかわからない<レアケース>に光を当てる存在でなければならないのです。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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