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2021年1月15日(金)~卓上から宇宙をみる~㉚

~卓上から宇宙をみる~㉚

〔打ち手の品格〕…考察⑬

その17 <トップ目の心得>

南場に入ってトップ目に立ち、ほぼトップを手中に収めかけているとき、打ち手はどういう心構えで打てばいいのでしょうか?
もちろん、トップを取りきるために、あらゆる手立てを駆使していくことは否定されるものではありません。
ただそこに打ち手の品格が感じることが出来ないならば、そのトップの価値は半減されてしまうことでしょう。

(1) 和了発声と点数申告

「ロン」もしくは「ツモ」と言って、和了宣言するわけですが、その声に勝ち誇ったような響きが伴っていると、打ち手の品格は著しく損なわれてしまいます。
もしくは和了した喜びに浮かれ、嬉しさが嬌声に変わるような度を越した音量になっていないか、注意すべき点と言えます。
嫌味のない発声というものがどういうものであるのか、普段から強く意識して取り組むことが大切です。
それから和了手牌を倒牌する際にも、細やかな心配りが要求されます。
対局相手3人が気持ちよく開けられた手牌を見てくれるような倒牌を心がけましょう。
いつも心に強く留めておくことは、自分のトップがほぼ決まりかけている時、相手3人のうち少なくとも2人は、手牌も心も苦しいところに置かれながら打っているという現実。
この現実を踏まえずして、トップ目の心得たる品格ある所作は不可能となります。
自分が和了するということは誰かが点棒を失うということですから。
そしてそこには必ず心の動きがついてきます。
だからこそ、トップ目に立ったら、細やかな心くばりであらゆる所作を行わなければならないのです。
点数申告は、和了発声以上に、その音質に注意が必要になってきます。
「ロン」や「ツモ」までは聞こえても、局が終わってしまった終了感からその後の申告は散漫になりやすいものです。
だからと言って、嬌声を伴った高音の申告は、対局相手3人の心を逆なでするだけでしょう。
遠慮気味の低音はもっといけません。
「えっ?何点?」と相手に聞き返させる状況は絶対に作ってはいけません。
和了発声同様、普段から強く意識して取り組む課題と言えましょう。

(2)摸打

トップ濃厚な体勢になってくるとツモが面白いように押し寄せてきます。
すると和了への道が幾つも見えてきて、さてどの道を選ぼうか迷いが生じるときもあります。
そんなとき、手がハタと止まったり、これを切ろうとしていたのに「いやまてよ」と思い直して違う牌に手をかける《手迷い》をしたりしていないでしょうか?
トップ目の《手迷い》は打ち手の恥と心得ること。
極力しないようにしましょう。
ツモのリズムが良くなると、打牌のリズムも軽やかになります。
するといつのまにかアップテンポになり下家への威圧につながっていることすらあります。
いかにも「ワタシ調子いいですよ!」みたいな雰囲気を卓上にバラ撒くのも考えもので、品格あるトップ目らしい摸打を心がけるようにしましょう。
一切の煩悩を排除し、透きとおった心音が牌に伝わっていくような摸打が出来るようになれば、品格あるトップ目として、対局相手3人からリスペクトされること必定です。

※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより


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