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2021年12月1日(水)~卓上から宇宙をみる~51

~卓上から宇宙をみる~ 51

〔Artistになりたい〕

とても面白いブログに出会ったので皆さんに御紹介しておこうと思います。

右脳と左脳が両方尖っている、とあるプロフェッショナルの方と会食した折に「ごくごく普通の日常の所作を、いかにアートできるか」と話されていたのが印象的でした。
アート!?
『企業が「帝国化する」』を読んだら「グローバルビジネスパーソンとして生き残るために必要なのは、創造性です。アートと言ってもいい」と書いてありました。
英語でもリーダーシップでもなく、アート!?
私は最初の仕事(金融)で「マーケット」の洗礼を受け、次の仕事(米系企業)でひたすら「ロジック」を鍛えられました。
「マーケットで勝負する世界」と「情報を分析し、論理で考える世界」の二つを学んだことが、私のバックボーンとなっています。
私は「ロジック」と「マーケット」だけで生きてきたけど、もしかしたら「アート」が抜けていたのかもしれないと考えはじめ、あるプロ棋士の方のツイートに目を奪われました。

ロジック  =研究者

マーケット =勝負師

アート   =芸術家

面白そうなので調べたら、谷川浩司十七世名人が、2004年に臨床心理学者の河合隼雄氏との対談で話された言葉だとわかりました。
(以下、引用)
棋士にはどういう素質が必要かということで、少し考えたことがあります。
そこで思ったのですが、棋士には「勝負師」の部分と、「芸術家」の部分と、「研究者」の部分がある。
あまりにも「芸術家」の部分が強すぎると、ちょっと自分が悪い手を指した時には嫌気がさしてしまって、勝負に対して淡白になってしまうことがあります。
逆に「勝負師」の部分があまり強すぎるとその一局だけ勝てばいいということで、見ていて面白い、価値のある将棋が指せないということになってしまいます。
それはまたそれで、プロ棋士としてはどうかと思います。
今は本当に情報化社会でお互いの対局の棋譜がすべてパソコンで検索できるような時代です。
ですから、事前に情報を調べておいて研究するということの比率が非常に高まっています。
(中略)
ですから、今の棋士には研究者としての資質が欠かせなくなっているのですが、ただ、それだけに偏ってしまうと将棋に面白味がなくなってしまいますね。

次の引用は、梅原大吾著「勝ち続ける意志力」からです。

10の強さを手に入れるのは、さほど難しいことではない。
それは誰かが歩いた道を辿りなおすような作業で、道は当然、明るく照らされている。
一方で、10を超える強さを手に入れるための道は暗闇に包まれている。
10の強さをもった人は、素人が見てもその強さがわかる。
この必殺技を使っているから強い…すべて言葉で分析できる強さである。
しかし、よくわからないけど強いというのは、おそらく究極だろう。
言葉で言い表せない以上、だれもその強さを分析することはできない。
強さの秘密を知っているのは、その強さを手に入れた人だけ。
だから、そういうプレイにのみ「神」が宿り、だれもが興奮して、心を動かされるのである。
そして梅原氏はこう締めくくっている。
『勝ちにこだわると、アートの部分が犠牲になる』と。

私はまったく博学でも勉強家でもないけれど、それでも、知らないことが見えてきて、わかるようになるのは本当に楽しいことだと思っています。

※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより


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