2022年5月1日(日)~卓上から宇宙をみる~61
~卓上から宇宙をみる~61
〔テンパイとらずの選択〕
テンパイをとる、とらないは、場況と待ちの形、そして巡目によって変わってきます。
メンゼン手はもちろんのこと、仕掛け手でも、テンパイをとらないケースは間々あります。
たとえば、親で次のような手牌からダブ東を仕掛けていったとしましょうか。
ドラ
をポンして
を切ります。
ここまでは何の問題もありません。
そして が出てきました。
もちろん「ポン」
さてここで何を切ればいいのでしょうか?
ポン
ドラ
まあ、親番でもあるし、打とする打ち手は多いでしょう。
私はここでを切って、イーシャンテンとらずとすることも多いのですが、その話はおいといて、
を切りました。
次のツモが。
ポン
ポン
ツモ
ドラ
を切ればペン
待ち(5800点)のテンパイになりますから、親番での連荘を強く意識して、当然の
切りとする打ち手は多数派と言えるでしょう。
は、他家に使われやすい牌ですし、ペンチャン待ちゆえ、リャンメン形への変化も期待出来ず、せいぜい
か
を引いてのシャンポン変化か、
が暗刻になるくらいです。
そこで場況を見てみると、マンズの上は 、
、
と1枚ずつ出ているではありませんか。
こんなときは、 を切っている人がもう1度引いてきてくれたら出るでしょうし、
や
を切っている人がいるから、1枚から2枚、山に
が残っているかもと、甘めの読みをしがちです。
そしてふた言めには「親だから!」という金科玉条のセリフを心で叫び、ペン 待ちの正当化を図るのです。
ポン
ポン
ドラ
ここから を切ってテンパイとらずする勇気を持てる打ち手は、仕掛け巧者と言えるかもしれません。
最近の風潮としては「ヌルイ」のひと言で片付けられてしまう選択に映るかもしれませんが、逆に言えば、ここからが腕の見せどころになるのです。
を切ると手牌はくっつきテンパイの形に変容します。
ポン
ポン
ドラ
次に が引ければ
を切って手牌はこんな形に
ポン
ポン
ドラ
そんなノンビリした打ち方をしていたら、子方のリーチにやられちゃうゾ!という心配をされる方もいるでしょうが、逆の立場になって考えてみるといいといいと思います。
親がダブ東をポンして、更には をポンして、
を切ってから
と落としてきたら、ほとんどテンパイと読むはずです。
ドラがひとつ入っていれば、5800か7700の放銃となるわけですから、マンズの下目やソーズの上目は危険な領域に映るはずです。
つまり、場は緊張感を保ったまま、中盤戦が重たく進行していくはずなのです。
そんななか、運よく を引き戻せて
を切り、
や
がくっついたら手牌はこうなります。
ポン
ポン
ドラ
ポン
ポン
ドラ
また、 や
が引けても面白くなります。
ポン
ポン
ドラ
ポン
ポン
ドラ
手なりのペン テンパイよりもアガりが近づいたこと、おわかりいただけますか?
テンパイをとる、とらないは、打ち手の意思ひとつで決められます。
とくに親番でのテンパイとらずを覚えると、攻めの手筋が増えて、より一層マージャンが面白くなるはずです。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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