2023年6月15日(木)~卓上から宇宙をみる~88
〔めくるめく一局〕
先日の教室でのヒトコマです。
ドラ ツモ
9巡目のテンパイなのですが、南家に座ったオジサンは小考に入りました。
東1局に親がリーチをかけ裏ドラも乗って4000オールをツモると、同1本場で、北家がホンイツ・トイトイのハネ満を親から出アガるという波乱の幕開け。
東2局に移ると、またまた親が七対子のドラ待ちをリーチでツモリ上げ6000オール。
同1本場で前々局ハネ満を放銃した北家が、親からマンガンを仕留めるという大荒れで迎えた東3局に上の手牌がやってきたのです。
南家は、▲4000 +12300 ▲6000という収支でしたから2300浮いていました。
場には と が1枚ずつ出ています。
南家の選択肢は3つ
(1) を切っての 待ち
(2) を切っての 待ち
(3) を切っての 待ち
他家にまだテンパイ気配がかんじられませんでしたから、選択はオジサンの思うがままのフリーハンド。
(1)の456三色テンパイを選択した場合は を2枚使っていることと、高めの でマンガン貰えるウマ味から、ヤミテンと構えるのが普通かなと思いました。
(2)の変則3メン待ちは、残り山に4~5枚は眠っていそうに見える絶テンですから、出アガリではなく、マンカンツモ狙いのリーチをかける選択になりそうです。
(3)は、 での打点が手牌全体のボリューム感を打ち消してしまう可能性が高く、敬遠されがちな選択に見えるものの、その を他家が切ってくれる可能性も高く、裏ドラが乗ればマンガンありますから、違和感を感じるほどではなさそうです。
するとオジサンは を横に曲げてリーチをかけたではありませんか!!
『へぇ~!リーチですか~?!』
目には目を!荒場には大物手で!!ということなのでしょうか・・・
10巡目、ツモ
11巡目、ツモ
12巡目、ツモ
裏ドラこそ乗りませんでしたが、してやったりの表情をみせるオジサン。
10巡目に首をヒネリ、11巡目に怨めしげに をツモ切ったオジサンは一変、『やっぱりマージャンはこうでなきゃ』風の悦に入った表情とともにハネ満の点棒をしまい込む姿に、またひとつ麻雀の魅力を感じた私でした。
どれもアガれそうな選択肢(1)~(3)の中で、三色という型を選んでのリーチは、踏み込み過ぎではないかとも思えたのですが、ハタで見ている感覚と、大荒れの真っ只中にいるオジサンの感覚とでは、かなりの開きがあったように思えました。
座ってなければわからないことも多い。
これは<実戦感覚>として理解できることでありますし、ヤジ馬たちにとやかく云われたくないと思ってしまうのも事実でしょう。
切りリーチの打ち手にも、 切りの打ち手にも、まさか 切りリーチが最高打点を得られることになるとはわからぬまま1局は終わってしまうわけです。
げに恐ろしや・・・麻雀
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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