2023年7月1日(土)~卓上から宇宙をみる~89
〔ふり返れば宝の山が・・・〕
負けているゲームを客観的にふり返ることが出来るようになると、自分自身のウイークポイントがあぶり出され、負け数が確実に減っていきます。
ツモ ドラ
東2局の南家が9巡目にテンパイし、迷うことなくリーチに踏み込みました。
を引くまでのこの手牌には、色々な可能性がありました。
たとえばツモ 。
ドラ
こうなたときの打牌は 。
を打って完全イーシャンテン形にしない理由としては、次にツモ と来たときに三色への可能性が膨らむからです。
ドラ
ここから を切れば、234・345、どちらの三色も狙える形になります。
元の手牌に戻りましょう。
ツモ も愉快なツモになります。
ドラ
打 と構えるもよし、打 と構えるもよしなのですが、タンヤオ・チートイツも視野に入れるなら、 のスジ牌である には手をかけず、 を切る一手になるのかもしれません。
ドラ
そこへツモ と来たら・・・
喜び勇んで 切りのリーチと打って出る打ち手もいるでしょうが、ムムム、待てよ、 切りのテンパイとらずもあるのかな・・・
ドラ
テンパイとらずでこの形も実に楽しいイーシャンテンに映るのではないでしょうか。
や 、 や が暗刻になろうものなら、もっと上を見たくなる手牌に。
とくに尖張牌の が3枚になると、四暗刻が見えてくるのではないでしょうか。
ドラ
せっかちな私などは、 を切らずに を先に切ってしまうかも・・・
そう、もうイーペーコーとか要らなくなってしまう心持ちなんです。
また脱線してしまいました。
先の手牌に戻りましょうか。
ドラ
9巡目にリーチをかけた南家でしたが、13巡目に親から追いかけリーチがかかってきました。
ドラ
そして一発で摑まされた牌が 。
裏ドラも で「ロン」・・・「2万4千です」と言われてしまいました。
実は南家、リーチ後に を引いていました。
ドラ
仮に、テンパイした際のツモ に違和感を覚えヤミテンに構えていたら、「ハハァーン、刻子場なのかも」と思い直し、 を切って並びシャンポンに構える手もあったのです。
ドラ
『そんなの結果論じゃないのか?』
13巡目のツモ で、親倍放銃ではなく、マンガンツモになっていたというロジックに反発もあるかもしれませんが、負けゲームを客観的にふり返ると、案外麻雀の本質に迫ることができたりするのです。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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