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2023年7月15日(土)~卓上から宇宙をみる~90

〔摸打の品格〕

ツモってきて要らない牌を切っていく、これを<摸打>と呼ぶことをほとんどの打ち手は知っています。
ところが、優れた<摸打>と言いましょうか、品格の伴う素敵な<摸打>をする打ち手の少ないこと少ないこと。
それはどうしてでしょう?
人間は感情の動物と云われているからでしょうか。
べつに修行しているわけではありませんから、堅苦しい姿勢を求めるものではなくて、単に美しさと品格があってもよいのでは・・・と思っているのです。

ツモに余計な力が入る。
心をこめてツモってくる絵とは違って、端々に<欲>が出ているツモの姿勢を目にすると何か大切なものを失っていくようにも見えてしまうのです。
<雑念>を棄てることはとても難しいことですが、ツモの姿勢を少し意識するだけで、自然に<雑念>が払われていくのも事実であることを知って欲しいなと思います。

ツモに時間がかかる。
城壁牌からひとつ牌をツモってくるのに必要以上に時間をかける打ち手がいます。
ひとつの儀式として定着しているかのように、ゆっくりと味わいながらツモを楽しんでいるようなのですが、相手3人の<時間>を奪っていることに気づいていません。
待たされている他家のことは忘れて、自分だけの<時間>を楽しんでいるのです。

ツモは城壁牌から手牌まで、もちろん、初動をかけるときも、城壁牌まで最短距離を行き来させ、急ぐ必要はありませんが、無駄な時間はできるかぎり削っていくことを意識することです。
次に<打>の行為ですが、まず手牌14枚から要らない牌を選定する際、利き手はどうなっているのか?
よくご自身を振りかえってみることから始めてみましょうか。
選定中、利き手が手牌の右端、もしくは左端から離れていないか?注視することです。
まさか、アタマをかいたり、アゴに手をかけたり、酷いケースでは腕組みまでして、利き手を手牌の端から離しています。
手牌から利き手を離すということは、<打>する際にはその手を手牌に戻すことになり、無駄な所作以外の何ものでもありません。
また、利き手とは反対側の手はどこに置けばいいのか?ということもおざなりになっていることが多いようです。
まさか、飲みものを手にしているなんてことはありませんよね。
できることなら、ヒザの上に置きながら<打>行為に入ることをオススメします。

<手迷い>、これも<打>をする際に極力慎まなければならない無駄な所作になります。
打つのか打たないのか、対局者が卓上に集中させる<気>を削ぐ行為になりますから、<時間>の無駄を極力省く意味でも、自戒の念を持って<打>に臨むことです。

最後に、自分の河に向けて<打>する際に気をつけること。
<強打>は論外として、怖がりながら牌を切っていく<打>も慎みましょう。
怖がったって、ロンされるときはロンされるわけですから、怖がったらロンされないで済むわけではないからです。
それと、何を切ったかわからない、手離れの悪い<打>も独りよがりな迷惑千万なものとして避けたほうがいいでしょう。

いずれにしても、<摸打>を整えることによって得るものはたくさんあります。
更に美しさや品格を伴う<摸打>を身につけることが出来れば、<牌品高>(パイピンカオ)の領域に入っていく打ち手ということになります。
とくに負けているときの<摸打>。
ここで細やかな配慮がなされれば、打ち手として一流の域にあることは間違いありません。

※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより


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