2023年9月15日(金)~卓上から宇宙をみる~94
〔初戦の処しかた〕
初戦というのは、この場合リーグ戦など、ある程度長い期間の戦いにおける、各節の麻雀をする日の初戦ということです。
各節の初戦の成績が振るわないとき、自分の考えかたに問題があるのかな?と疑問が湧いてくることがあります。
初戦の私の考えかたは以下の3点になります。
(一) その日の運気を測る
(二) 東場はとくに放銃を避けない
(三) チャンス手はテンパイしていなくてもいいから追いかけていく
大局観を重視して打つようにしている私としては、初戦の東場は闇の中で打っている感覚です。
手牌と素直に向き合って、アガれそうな手がきたら、無駄のない手順で真っすぐアガリに向かえばいい、という考えかたがあります。
たとえばこんな手牌
ドラ
東家7巡目に を引いてこの形になったとき、手牌と素直に向き合うならば、
切りの一手ということになるわけです。
でも私の考えかたは、234あるいは345の三色が狙えるタンヤオピンフ手牌ですから、まずは を切ってワンズの3メン形を固めていくという選択です。
ドラ
こう素直に構えれば、 や
が暗刻になっても
待ちのリャンメンリーチが打てます。
ところが私の構えをとると
ドラ
こうなって、 や
でのテンパイが消え、リーチをかける巡目が遅れ、その間、相手に
や
を打たせてしまうスキが生まれます。
《タンピン三色》が決まれば、その美しさに酔いしれる至福の時間が訪れるわけですが、そんなにうまくいく話ではないことは、ちょっとキャリアを積めば理解できるはずです。
にもかかわらず、私は狙いにいくわけで、そこには『アガれなくても仕方がない』という、初戦と向き合うときの麻雀観が現れているのです。
放銃にしても、初戦への想いというか、麻雀観が色濃く現れていて、たとえばこんな手牌を手にしたとき
ドラ
8巡目に親からリーチがかかったとします。
そして一発でツモって来た牌が親に通っていない 。
安全牌の を一発逃れで切る手もありますが、初戦の東場や、プラスで迎えた南場であればツモ切りします。
親リーチに一発回避できる牌がありますし、自分はまだイーシャンテン、無茶な勝負をする理由はあまり無いのでは?と考えるのが一般的です。
でも私は をツモ切りします。
その日の運気をチェックしたいという強い思いと、アガリへの道を閉ざしかねないシャンテン落としには抵抗感があります。
がリーチに通るならば、
→
とローリングして新たなターツを作りにいく考えかたになることもありますが、
が安全牌でもないのに、一発回避だけで
を選択する気にはなれないのです。
攻めるにしても受けるにしても、観てくれている人たちや、応援していただいている人たちにとって、いかにも歯痒さが残る打ち方をしているのかもしれません。
初戦・・・という考えかたそのものに、もしかすると問題があるのかもしれません。
試行錯誤する歳でもないのでしょうが、進化していくためには、自分の<殻>を破ることも必要だと思っています。
<揺れず>に<殻>を破る、そんなことができればいいなと思い始めている私です。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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