2023年12月1日(金)~卓上から宇宙をみる~99
〔自分のツモ筋を考える〕
私の敗因の7割近くが<仕掛け>によって引き起こされています。
敗因となることが分かっているのだから<仕掛け>を減らせばいいじゃないかと云われそうですが、いざ卓に着いてしまうと、上家の打牌につい反応する悪いクセがあるようです。
とくに優勢に立っているとき。
捌けそうな手がやってくると、優勢な自分の<ツモ筋>を棄てて、チーテンやポンテンをとってしまう悪いクセがあります。
ドラ
南2局南家8巡目、+1万2千点のトップ目だった私がこの手牌から のチーテンをとってしまうのですから、相当重症です。
もちろん、無風下では私もチーテンをとる勇気は持てませんが、上家の親が を横に曲げて「リーチ」宣言してきたのです。
チー ドラ
リーチをかけてきた親は、▲8千点の3番手でした。
ドラそばのカンチャンターツ。
ただそれだけに着目すれば、親リーチの一発を消して急所を解消できるカン のチーテンに異を唱える人は少ないかもしれません。
でも、冷静に自分の置かれている状況を踏まえれば、目先のチーテンより、優秀な<ツモ筋>から離れてしまう怖さをもっと自覚する必要がありました。
<ツモ筋>ってなんだよ??と、いぶかるムキもあることは承知しています。
まるでそこに意思があるかのような見立ては愚かなことと考え、積まれている牌たちは偶然の産物と一刀両断する思想家も多いようですが、私は<ツモ筋>を信じます。
調子が悪くなると、(持ち点が▲8千点を超えてくると)<ツモ筋>に有効牌が少なくなり、調子が良くなると(持ち点が+1万点を超えてくると)<ツモ筋>に有効牌が多くなると信じています。
ですから、調子が悪くなってきたら、<ツモ筋>を変化させるチーやポンを仕掛けていくようにしています。
それがままならず、メンゼンで打たされ、本来の<ツモ筋>で打っているときには、その<ツモ筋>に相手の有効牌が多く含まれていると考え、ツモ切りする際は用心深く、とくにリーチがかかってしまったら、<ツモ筋>にロンされる牌があると信じ、より慎重になります。
カン をチーしたということは、優勢な<ツモ筋>を放棄し▲8千点の3番手の<ツモ筋>で打っていかなければならないというリスクを背負ったことになるのです。
10巡目、私は を引き としました。
チー ドラ
~ のスジを5枚も抱えて、もしかしたら のチーで親のロン牌を喰い下げたかも・・・。
しかもツモったら三暗刻のマンガンテンパイに切り替わったものですから、『ヨシヨシ、これでオール突っ張りでいける』とほくそ笑んでいたのです。
12巡目、 をツモってきた私は、当然といわんばかりにノータイムでツモ切り。
チーテンをとった自分の本来のアガリ牌も何のその、 か をツモればマンガンになるというテンパイ変化の心地よさから、気持ちよ~くツモ切りしていたのです。
「ロン!」
親の手牌が開けられました。
ドラ
なんの変哲もないノミ手リーチ。
裏が1枚乗って3900の放銃。
トップ目から落ちる放銃ではありませんでしたが、この和了を機に親の連荘が始まり、結局終わってみれば▲4千点の3番手でゲームセット。
やっぱりマンガン狙いのシャンポンに受けず、リャンメンのままにしておけば良かったナ、という反省はナンセンスです。
優勢なときは、自分の<ツモ筋>で打たなければ駄目なんだナと、50有余年経っても成長が無い<トリアタマ>に云い聞かせている次第です。
※本文は麻雀アカデミー(雀友倶楽部)テキストより
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