2024年3月15日(金)~卓上から宇宙をみる~106
〔マイスタイル〕
打ち手にはこだわりがあります。
シュンツ派であろうとトイツ派であろうと、4メンツ1雀頭や7トイツを作るうえで、こだわりの打ち筋を持っています。
ツモ ドラ
123の三色が見える手牌です。
2巡目にツモってきた に対して打ち手は様々な反応を見せます。
切りがマジョリティでしょうか。
でも、このマジョリティという見立ても、いつも卓を囲んでいる仲間によっては違ってくるところがあって、決めつけるのは良くないことなのかもしれません。
正解とか間違いとかがボヤけるゲームの性質からも、あまり型にハマった論調は歓迎されないところでしょう。
切りで三色部分を固定させる打ち手がいても不思議ではありません。
トイツ派から見れば、せっかく4トイツ目が出来たところなのに、なんだかもったいないなという反応になるわけですが、三色派としては納得の選択なのです。
三色は9枚役ですから、3メンツは動かさない部分ととらえると、残りの1メンツ作りに全力を注ぐという段取りになります。
この手牌で云えば
この7枚から1メンツ1雀頭を生み出していくという作業になるわけです。
ですから、動かさない三色部分は
この6枚でいいわけですから、ダブついている は手牌から放出されることになります。
さて私の選択はと云いますと・・・
切り。
私のスタイルは『決め打ち』。
とてもロスの大きいスタイルです。
スパッと決まれば、鮮やかに映るプレースタイルでファンの目に焼きつくことになるわけですが、ハマらないときは、「何やってるのこの人?」となってしまいます。
とくに、『横を否定して縦に決め打つ』スタイルが好きなようで、3トイツ出来たあたりからの決め打ちが多く、ハラハラドキドキを楽しみ始めます。
「プロなんだから、もっと精度の高いアガリへの打ち筋を魅せて欲しい」というファンの期待に背を向ける『決め打ち』は、もしかしたら、かなりのワガママなのかもしれません。
ツモ ドラ
横の手だって負けてはいません。
私は を切り三色に『決め打ち』することが多く、ハラハラドキドキを楽しみ始めます。
現代の打ち手たちから云わせれば、〈昭和の化石スタイル〉なのかもしれませんが、これはもう『性分』なので仕方ありません。
を切っての完全イーシャンテンにとるスタイルを否定することはありませんし、三色は狙いつつピンフを確保しておく 切りも賢い選択だと思います。
それぞれの打ち手がそれぞれのプレースタイルで卓を囲むことによって、多種多様な化学反応が起こるからこそ、何十年打っても、新鮮さが失われることがないゲームであり続けるのでしょう。
だから楽しいし、だから好きなんです。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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