2024年4月1日(月)~卓上から宇宙をみる~107
〔不治の病〕
東2局の南家6巡目の手牌です。
ツモ ドラ
は1枚切れ。
そして親からリーチがかかった直後という状況です。
親の河はいたって平凡で・・・
を切ってシャンポンにするか、ドラの を勝負してイッツーまで狙うのか?
おっと!打ち手は を切ってテンパイをとりませんでした。
〈マジか!?〉
すると、8巡目にツモ 。
オットッと。
ドラ
ただ、 切りでテンパイをとっていたら、この でハネツモ。
清一色狙いというより、ドラ表示牌の とドラ の勝負選択を保留にした感もあったので、これ以上うまくいくのか疑問符もつく超大物手テンパイに見えました。
11巡目、打ち手は をツモると小考を始めました。
〈え??ここで何を考えるカナ??えっ、もしかしてリーチかけるの?!〉
打 。
〈マジか!?〉
ドラ
〈これ、何待ちなの?〉
さっきまでのテンパイは
ドラ
待ちで、高めの なら出アガりでも3倍満という滅多に見ることのできない超大物手。
それが、ただの 待ちになった挙句、自分で5枚も使っている激ウス待ち。
〈なになに??親リーチが の1点に絞れたから諦めの打 なの??〉
メンホンテンパイのシャンポン待ちにしていたら、すぐにハネツモになっていたという現実からも『アガリ逃しをした後は相手のロン牌が来やすい』というベテランの話を尊重したわけなの?
ありえない。
日本の1千万麻雀ファンのうち、この3メン待ち高め3倍満テンパイから、ドラ筋の が切れずに を切って 待ちに替える打ち手が何%いると思ってるの?
恐らく・・・0.0001%、いや0.000001%くらいでしょうか。
14巡目、 ツモ。
ドラ
打ち手はまた小考して・・・打 。
〈オイオイ今度はシャンポンなの?〉
さえ勝負?(こういうのは勝負牌と到底呼べませんが)しておけば、あっさりと をツモって倍満成就!!
打ち手によっては、即リーチか、 をツモ切りしてリーチをかけていますから、文句なしの3倍満ツモだったのに・・・
後悔して、このツモ で、もし通っていたらアガれていたのか?と、ここで を切って、フリテンの 待ちの4メン待ちにとる打ち手だったらまだ救いようがあるのに・・・
案の定、南家の海底牌は 。
〈アンタ、その でも3倍満だったんだよ。何回アガれてるんだ?バカヅキだったんじゃないの?〉
流局して親の手がオープンされました。
〈アンタ、それでもプロなの???〉
麻雀を打ち始めて50年を超えるというのに、このザマです。
『浩翔に付けるクスリは無い』
ハイ、そのとおりです。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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