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2020年11月15日(日)~卓上から宇宙をみる~㉖

~卓上から宇宙をみる~㉖

〔打ち手の品格〕…考察⑩

その14 <挨拶>

「よろしく御願いします」と言ってゲームが開始されます。
この挨拶のタイミングは、場所決め・親決めが終わり、起親がサイコロを振る直前にします。
本当は、(これは希望を含めてですが)、同卓する4人が揃った段階で(仮の席に座った段階で)目礼しておくといいでしょう。
この目礼は、同卓者に対する敬意であり、品格ある打ち手であるならば、当然持っていなければならないマナーと言えます。

さて、起家が決まり、起家マークが定位置に置かれた段階で、「よろしく御願いします」と挨拶するわけですが、この挨拶はいったい誰に向けてのものなのでしょうか、今一度見つめ直してみましょう。
場所決めをする前の目礼は、同卓者に向けての感が強いのですが、起家が決まった後の挨拶は、卓を囲む人たちへ向けての挨拶だけではなく、その卓やその卓で使用する牌に向けて、「よろしく御願いします」と、こうべを垂れる意味があります。
もっと言えば、会場に入ってくる際も、一礼してからその会場の敷居を跨ぐくらいの気持ちがあったほうがよいでしょう。

ゲームが終わって卓を離れるときの挨拶はどうでしょう?
「ありがとうございました」と挨拶することを忘れてはいないでしょうか。
あるいは、その挨拶のタイミングを間違ってはいないでしょうか。
改めてチェックしておく必要があります。
ゲームが終わり、成績記入が終わり、4人でその確認を済ませた段階で「ありがとうございました」と言ってしまう人がいますが、それは少し早いのです。
成績記入を確認した後、点棒をゲーム開始時点の形に戻し、次ゲームで場所決めし易いよう場所決め用の牌と起家マークを卓の中央に用意し、他の牌は全て裏返しにするか、自動卓ならば卓の中に落としておくことが望ましいでしょう。
それら一連の後始末と準備が完了したことを4人が見届けたうえで、「ありがとうございました」と挨拶して、初めて席を離れられることになります。
挨拶は、同卓者と使用した道具への感謝の気持ちをこめて行いましょう。
次ゲームに早く移りたいからとばかりに、気もそぞろに挨拶したり、挨拶したかしないかわからぬような素振りで、敬意のカケラも無いような態度は打ち手失格です。
そして卓から離れる際も、使用した椅子の高さが著しく高低がある場合は元に戻し、きちんとした形に直し、次に使う人が気持ちよく使えるように配慮することも大切なことです。
使用したサイドテーブルも、使用前の姿に戻しておきましょう。
飲み物の置忘れや、テーブルを汚したままは論外のマナー違反になってしまいます。

会場に入ってくる際の一礼同様、すべての活動が終わり、会場を出ていくときも、本当は一礼してその日に感謝するスタイルが望ましいものです。
やろうかなと思っても三日坊主に終わったり、会場に来るまでは意識していても、帰る段になると忘れてしまうことが多いので、一朝一夕に出来るようにはなかなかなりませんが、品格ある打ち手を目指すのであれば、是非、心がけて欲しい挨拶の基本と言えるでしょう。

挨拶に好不調はなく、老若男女、キャリアの差、実力差、何も関係なく、牌の前では皆平等なのです。
体調の優れない時、精神的に疲れている時、他人には計り知れない悩みを抱えている時等々、<負>の状態で卓につく日もあると思いますが、牌の前では皆平等なのです。
その<負>の部分が作用して挨拶がスムーズに行えないような時にこそ、品格ある打ち手でありたいと努力したいものです。

※本文は東京麻雀アカデミー(雀友倶楽部)テキストより


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