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2021年4月15日(木)~卓上から宇宙をみる~㊱

~卓上から宇宙をみる~㊱

〔品格ある打ち手を目指して〕

〔ツモ動作〕と〔打牌動作〕
この2つの要素は、打ち手のキャリアは言うに及ばず、老若男女、麻雀能力の高低を問わず、<互角>に渡りあえるものになっています。
にもかかわらず、キャリアが浅かったり、麻雀能力にヒケ目があると、怯えたり委縮したりして、<互角>に渡りあえるはずの時間さえ<場>の空気に吞み込まれてしまうようなのです。

〔ツモ動作〕は、言うまでもなく、上家の打牌完了後、0.5秒くらいの<間>を置いてから、城壁牌に向けて最短時間で腕を伸ばし、牌をツモり、同様に最短距離・最短時間で自身の手牌に引き寄せる行為のことです。
なぜ<最短>という言葉を使うかといえば、『品格ある打ち手は、ゲーム中に自身が使う時間を可能な限り短縮することに腐心する』からなのです。
ゲームの<時間>は4人で共有する<時間>になります。
そんなとき、いたずらに自分流儀の作法にこだわって、<公>の意識を欠いたスローな動作は、品格ある打ち手は避けなければいけません。
〔ツモ動作〕にともなう<盲牌>という行為も、スローとは言わないまでも、ムダな動作・自己流の一種と言えるでしょう。
また、上家の打牌から0.5秒くらいの<間>を置くケースでも、いたずらに〔ツモ動作〕を開始しない人がいます。
もっとヒドイケースは、〔ツモ動作〕を開始したにもかかわらず、手牌に引き寄せず、ツモ牌を裏にしたまま河を見直したりしている人もいます。
いずれも、<公>の精神に欠けた自己流であり、極力やめたほうがいいでしょう。

競技の場はもちろんのこと、遊戯の場であっても、飲みものを片手に持ちながら(タバコを片手に持ちながら)、〔ツモ動作〕を行うのは極力やめたほうがいいでしょう。
〔牌神〕はいつも見ています。
牌たちへの敬意を忘れた行為は、必ずや自身の手牌にハネ返ってくるはずですから、いついかなるときも、ムダを伴う〔ツモ動作〕は行わないほうがいいでしょう。

次に〔打牌動作〕についてですが、これも〔ツモ動作〕同様に、最短距離で河に置き、ムダのない所作で河に伸ばした腕を引いてくることが基本になります。
テンパイしたり、アガりたい手のイーシャンテンになったりすると、つい打牌のトーンが強くなったり、手牌から打牌する牌が離れる時間や河に置くまでの時間が速くなったりする人もいますが、できればそういう感情は見せないほうがいいでしょう。
品格という点でもですが、何かを対局相手に感じさせることは、ゲームを制するに当たっても著しく不利になるので、意識して避けるようにしましょう。

河に牌を置く際、牌の上下を気にする人がいます。
私もそうですが、下家の摸打の最中に直したり、自分の打牌完了後に直したりしますが、けっこうこの行為が他家の迷惑になっているときもあるので注意が必要です。
自身の美学で上下の並び替えを統一させるのですが、直している行為によって河全体が見えにくくなっていないか、細やかな配慮をしつつ直すようにしましょう。

品格ある打ち手になるには、ありとあらゆる気くばりが必要になります。
私なぞ、いまだに五合目に達したかどうか、とてもとても胸を張れたものではありません。
つまり……自分自身への戒めと叱咤を兼ねて、こうして書き連ねていること、ご理解いただければ幸いです。

※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより


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