2021年7月15日(木)~卓上から宇宙をみる~㊷
~卓上から宇宙をみる~㊷
〔ある若者の思考〕
ある対局でこんなシーンがありました。
ツモ ドラ
状況は南入りしたばかりの西家、6巡目、持ち点はプラス3千点でした。
西家は に手をかけました。
狙いは567の三色。
がドラであることと、マンズの伸びも考慮すれば、 切りで異論は全くないところでしたが、西家は果敢にも効率を棄て三色手筋に入っていきました。
8巡目、ツモ 。
さてどうするんだろう?
私の眼は、西家の指先に釘付けになりました。
そして西家は私の想像を超えるアクションをとってくれたのです。
「リーチ!!」
西家は を横に曲げていました。
ドラ
6巡目に打ち出した と、リーチ表示牌 の絶妙のコントラストが西家の河を光り輝かせていました。
12巡目、西家の意志を汲みとった牌神が、 をそのツモ筋にそっと置いてくれました。
裏ドラに が乗ってハネ満和了となったわけですが、この和了を見た対局者たちは、一様に怪訝な表情をしていました。
ゲームが終わったあと、西家がどんな思考で を切り、 を横に曲げたのか?
聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
「三色が決まりそうな時間帯だったんですよねぇ」更につづけて、「自分は自分の経験からしか判断できないんですが、時間帯によって、ドラを使う時間帯とか、手役を狙う時間帯とか、1ハン下げる時間とか、和了に向かってはいけない時間とかに切り分けてるんですよねぇ」と話してくれました。
30の声をもうすぐ聴こうかという若者が、これだけしっかりした<幹>のある思考で麻雀と向き合ってくれてるなんて、凄いナ!と思うと同時に、<プロ>たち大丈夫??と悲観的な思いになりました。
この若者は<運>の流れに合わせて麻雀を打っています。
<時間帯>というフレーズを使ってくれる<プロ>はほとんどいないのですが、もし<運>の流れというものが存在するならば、この<時間帯>を考えるのは至極当然なことなのであります。
<時間帯>を羅列してみますと…
● 2ハン役以上の手役が完成しやすい
● ドラを引いてきやすい
● ドラ周りが完成しやすい
● 良い待ちになりやすい
● リーチ・ツモがしやす
● 放銃牌が余りにくい
● 役牌が使いやすい
▲ 1ハン下げたほうがいい
▲ 2ハン役以上の手役は追わないほうがいい
▲ ドラは使いにくい
▲ 愚形テンパイになりやすい
▲ ロン和了しか期待できない
▲ 放銃牌が余りやすい
▲ 和了に向かわないほうがいい
<時間帯>の意識を持って打ってみるのも一興かもしれませんね。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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