2022年9月15日(木)~卓上から宇宙をみる~70
〔落ち目の典型〕
<手が動かなくなる>とはどんな現象をさすのでしょうか。
ドラ
不要なヤオチュウ牌を整理した4巡目、手牌がこんな形になったとしましょう。
さてここから先、どんな牌が引けるのか?その牌たちによって、「手が動いてるゾ!」とか「まったく動かなくなったゾ!」という判断がなされていきます。
手が動くときは、 が来たり、 が来たりして、マンズの形が となります。
ピンズの動きとしては、 が3枚になったり が来たり、 が来たりして、 とか、 という形に変化してから が引けたりします。
ではソーズはどうでしょう。
ドラの がスコンと入ってくるときは、手がかなり動いている状態で、 あたりも早めに来ます。
こんな形になってアガれる手格好にどんどん進化していくんです。
では反対に手が動かなくなると、どんな牌がやってくるのかと言えば・・・
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とまあ始末がつきにくい牌たちが次から次へ、目をおおいたくなるくらいやって来るのです。
この苦しい時間帯に入ると、相手の勢いが加速してきて、「えっ⁉もうリーチなの?」とか、「えっ⁉これもポンされるの?」とか、それはそれはもう防戦一方の展開に巻き込まれていきます。
たまに良さそうな手がやってきても、イーシャンテンあたりでピタリと止まり、《進むも地獄、退くも地獄》といったことになり、メンタルがズタズタにやられてしまうのです。
つい先日もこんなことがありました。
東4局の親で配牌を取り終えると手牌はこのような形になっていました。
ドラ
「オッ!!ついに来たか!」とワクワクしながら第1打に を選びました。
ドラが なので、 というターツを大事にしていきたいと考えての打 ではなく、マンズの一色手を本戦に考えての 切りでした。
だったら → とさっさと外せばいいじゃないかと思うかもしれませんが、親番での一色手はできるかぎり悟られずに進行したほうが<仕掛け>が難しいものではなくなります。
その意味において、生牌 から仕掛け始めるよりは、 を1枚スルーしてダブル風の から初動をかけたほうが仕上げやすいのも事実です。
まぁ最近の風潮としては、何から仕掛けても( からでも)、 であろうと、 であろうと、ポンポン鳴けてしまう傾向にありますが・・・ネ!
ところが、このときは違いました。
というのも子方の第4打までの河が次のようになっていたからなのです。
南家
西家
北家
なんだこれ⁇だったため、字牌の出が極端に悪くなり、 はもちろんのこと、 ですら姿を見せる気配がまったく無かったのです。
3巡目に 、5巡目に が引けたものの、手牌はピタリと動かなくなりました。
ドラ
結局この局は、西家がソーズの一色手を仕上げて、10巡目に私がツモ切りした のポンテンを入れ、 をツモって1300・2600で終局しました。
メンゼンであれ仕掛け手であれ、<手が動かない>と感じたら警戒警報の発令です。
感じた瞬間から、すぐに訪れるであろう他家の和了への防御策を講じる必要があり、自分の手牌には見切りをつけなければならないのです。
でもこれがそう簡単にはできなくて・・・
困ったものですネ。
※本文は東京麻雀アカデミー(雀友俱楽部)テキストより
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